一液型塗料は結合材や顔料、溶剤などが成分調整されたもので、そのまますぐに使える。
その一液型塗料にはたくさんの種類があります。
① 溶剤揮発タイプ・・・・・シンナーが空気中に飛んでいくと、結合する樹脂同士の分子間距離が短くなり、次第に分子同士がくっついて塗膜になるもので、代表例としてニスがあげられる。塗装の環境は20℃程度でゆっくりと固めてあげるのが良いとされる。
薄め液のシンナーを入れすぎてはいけない。適度な粘性を保ちながら刷毛で均一に塗るのがポイント!ポットライフが過ぎると全体が固くなってくるので、要注意。
② エマルションタイプ・・・・・水系塗料と呼ばれ、水が塗料の半分を占めており、この水が蒸発すると液体から固体へと変化して塗膜をつくる。
エマルションタイプの樹脂は牛乳に似た色と粘りをしているのが特徴です。
水の蒸発速度は緩やかなので、ポットライフをあまり気にしないで施工できるのがよい。
使い残しの塗料はしっかりと密封して水分が飛ばないようにすれば、数日間は使える。
③ 光反応タイプ・・・・・紫外線や電子線を塗料に当て、光によって分子を励起させ強靭な塗膜を形成する。このタイプの樹脂は、反応時間が数秒から30秒と短いことから冷暗所での保管が必須である。塗料は光に当てないように管理すると長期間保存できる。
二液型塗料とは、主剤と硬化剤を混ぜ合わせることで反応する塗料のこと。
2つの液体を混ぜた直後から反応を開始する。混ぜ合わせると、サラサラの状態から時間が経つにつれて納豆のように糸を引く。さらに硬化が進むと、プリンのようになってから完全硬化する。反応硬化で固まった塗膜は強靭であり、一液型の塗膜よりも薬品や熱に強く汚れにくいのが特徴。ウレタン樹脂やエポキシ樹脂が二液型塗料の代表といえる。
反応硬化を利用して塗膜をつくる二液型塗料は、塗装できる時間が限られているので、可使時間を超えると、吹き付け作業では塗装用のガンに材料が詰まり、刷毛やローラー塗りでは、粘りが高くなって塗れなくなる。二液型の塗膜性能は非常に良いが、扱いが難しいのも特徴です。
固まりかけた危ない塗料の特徴は、かき混ぜた時に糸を引くような感じで粘っぽくなっていること。また、容器の中の塗料の表面が固くなって薄い皮が張ったものも危なく、固まりかけた塗料にシンナーなどの薄め液を加えても接着性は決して回復しない。ただ見かけだけが柔らかくなるだけであるため、注意が必要である。