下塗りとは、下地処理が行われた既存外壁の上に最初に施される,塗装工程を指します。
既存外壁と新規上塗り材を健全に密着させる機能を持っています。外壁で使用される下塗り材は、大きく2種類に分類されます。
【シーラー】
既存外壁素材に浸透し固める役割と、上塗り材との密着を助ける
機能を果たします。スレート屋根の塗装工程では、スレート材が
風化していることから、ほとんどの場合が浸透型シーラーを使用
しますが、外壁塗装(モルタル面)の場合は、粘度が少なく下地の
凹凸がそのまま出てしまうため、下地処理が少なくてすむ比較的
劣化の少ない場合に多く使用されます。
水性/一液溶剤系/二液溶剤系の種類があり、新築時の塗装や劣化の少ない下地には水性を使用しますが、劣化の進行度が高くなるに従い浸透力の高い溶剤系や二液溶剤系を使用します。
【フィラー】
粘度があり、下地材には浸透しませんが、下地の凹凸を滑らかにする機能と上塗り材の密着を助ける機能が
あります。
粘度があることから、厚みをもたせた塗装が可能で、クラック処理を施した下地や微細なクラックなど、
下地に凹凸がある場合に補修跡を隠す手段として有効な工程です。
シーラーと異なり、水性のみで溶剤系の材料はありません。